父の日に万年筆をプレゼント 少しダンディー?に変身


古い外国映画やテレビドラマの中で、手紙等を書く際に「ペン」が使われるシーンがあります。
現在はボールペンが殆どですが、1960年代位までは幾つかの「ペン」が主流でした。

その「ペン」の種類に「万年筆」が有りますが、この名前を聞いてピンとくる方はどの位居るでしょうか。
葉書や手紙を書く、書類に署名するなど多岐に渡り使用されていて、
当時の筆記具として携帯出来る「万年筆」はとても重宝されていました。

そんな一時代を築いた万年筆を、父の日のプレゼントにしてみてはどうでしょう?
今だからこそ意外性が有り差別化も出来て、更に高級感も増すのではと思います。

「何故父親に?母親じゃ駄目なの?」そう疑問に思う方も居るかも知れませんが、
「万年筆」という筆記具自体に何処か「力強さ」を感じ、女性よりも男性というイメージが強いのです。
(あくまでも個人的な感情ですよ。勿論女性(超有名)も使用している方は居ますので。)

使用した方は勿論、初めての方も使用してみれば判ると思いますが、結構書き易い筆記具でもありますので、
一度使用してから嵌まる方も多いそうです。特に男性なんですが。
万年筆特有の使用感や、簡単なんですが複雑そうな仕組みが男心をくすぐるのかも知れません。

高級感溢れる物から手頃の物まで、また、世界で様々なブランドが有り、
スタイリッシュで大人の風格、といった印象をもっている万年筆。
改めて見直すという事も含めて、万年筆を贈ってみては如何でしょうか。

【万年筆はどんな筆記具か】

『万年筆は組み合わせて出来ている』

先ず、万年筆はいくつかの部品に分かれていて、組み合わせて使用します。
大まかに「キャップ」「ペン先(ペン芯含む)」「軸(胴軸+首軸)=胴とも言う」と、3つに分かれます。

■「キャップ」:ペン先の保護とインクの乾燥を防ぎ、書く際のバランスを保つという重要な役目が有ります。
また、嵌める時はネジ式の物が主流ですが、安価な物はパチンと嵌め込む嵌合式(かんごうしき)の物が多いです。
嵌合式は簡単ですが、胸ポケットに入れた際にキャップが外れてインクで服を汚す、
キャップを抜いた時にインクが飛び散る、など不具合を起こす場合も有ります。

■「ペン先」:「万年筆の頭脳部」とも呼ばれる位、最も重要な部分です。金を使用したものが多いのですが、
インクの酸に負けない、腐食に強い、また適度に弾力性が有るので書き味が柔らかくなる等の理由からです。
最近では鉄・ステンレス製のペン先も有り、使い捨ての物ではプラスチックのペン先も出ています。
※「ペン芯」:これはペン先にインクをスムーズに送る重要な役目をするもので、
「万年筆の心臓部」とも呼ばれ特徴の有る構造をしています。

■「軸」:インクを貯蔵する場所と同時に、太さや形状により「握り易さ」が違います。
材質は様々な物が有り、プラスチック、真鍮(しんちゅう)、ステンレス、天然木などが使われていて、
ラッカー塗装、漆塗り、蒔絵(まきえ)などで表面を装飾したものが有ります。
因みに蒔絵や漆塗りの物は数十万円の価格の物が有ります。

『インクの補充方式』

大きく分けて3種類ですが、簡易的なカートリッジ式の物が今は主流となっています。

■「吸入式」:万年筆が考案された当初からある方式で、現在では回転吸入式と呼ばれるタイプが殆どです。
インクを吸入するための装置が内蔵されていて、ボトルインクのインクを吸入する事で、
他の「カートリッジ式」「インバーター式」よりも多くのインクを一度に補充出来る、使用出来るインクの種類が多い、
コスト的に他の方式より優れている、残ったインクはボトルに戻せる、等のメリットが有ります。
反対に、インク補充の際の手間が掛かるという事、高価な物が多いというところが少しネックとなりますが、
手間が掛かるから良い、高価でも愛着が湧くなど、愛好家に好まれるのが特徴ですね。

■「カートリッジ式」:最大のメリットはインク補充が簡単という事で、インクが入っているカートリッジを購入し、
古い物を外し、新しい物を差し込むだけで使用出来るという手軽さです。今のプリンターと同様と思えば良いですが、
同じメーカーのインクを使用する事が望ましいという点も注意した方が良いでしょう。
コストは高くなりますが、使い慣れてない人や面倒くさがりな人にはお勧めです。

■「コンバーター式」:簡単にいうと、吸入式とカートリッジ式を合わせた補充方式です。
インク吸入器コンバーターというカートリッジにインクを吸入させるという方式で、吸入式同様コストに優れ、
使用出来るインクの種類も多いという点などがメリットです。

※現在一般的なのは、コンバーターとカートリッジ両方が使用出来る両用式ですが、
購入した際に添付されている説明書などをしっかり確認してください。

使い慣れない人はカートリッジ式の万年筆が良いと思われますが、最初から手間を楽しみたいという方には、
吸入式、コンバーター式も一応考慮してみてください。

万年筆でノートに書く

『ペン先は用途で選ぶ』

万年筆を購入し、いざ書いてみたら「細い字が書けなかった!」なんて事にならない様に、
ペン先の太さを覚えておいて、用途に合わせて購入してください。
※メーカー等により表記が違う場合が有ります。

■「FF」・「XF」(極細):細い線がしっかり書けます。帳簿や手帳などへの記帳に適しています。

■「F」(細字):一般的に利用される細字。ノートや手紙、葉書などを書く際に適しています。

■「FM」・「MF」(中細):手紙や日記などに適しています。

■「M」(中字):一般的に汎用性が高く、幅広く使われている太さで、いわば「定番」といえます。
初めての万年筆であればこれがベストだと思います。

■「B」(太字):一般的な太字用です。
サイン用などに使用するエグゼクティブなら常に一本は持っていたいペン先です。

■「BB」(極太字):かなり太い太字です。一般的は使用する機会はないと思います。

この位が主だった太さのペン先ですが、他にも専門分野の方が使用するペン先も有ります。
万年筆に興味を持ち、色々試したいと思ったらそれぞれの太さの物を揃えてみて、
使用機会により使い分けるのも楽しいかも知れませんね。
※日本メーカーのペン先は欧米よりも少し細めになっています。
文字の文化の違いにより、漢字はより細かくないと書けないという事でもありますので。

メーカーやモデルによっても違いが有り、インク補充方法、ペン先でも選べるという、贅沢な筆記具ですね。
一度は使ってみたいと思う気持ちが強くなったのではないでしょうか。

『何故万年筆をお勧めするの?』

よく万年筆と比較されるのがボールペンですが、日本では1970年代に公的機関の文書への使用が認められ、
その後は書き味にクセが無い、安い水性ボールペンが開発された、等の理由で主流になりました。
従って事務用、実用筆記具としての万年筆の利用は徐々に減り、役所によってはサインペンと同じと見なされ、
使用禁止になっているところもあります。
何故かというと「インクが滲む」とか「複写様式には不向き」等という理由からです。

しかし、近年万年筆の希少性や独自性が見直され、趣味としての高級文具や差別化の文具等として、
書籍や雑誌も刊行されて、ジワジワとその人気復活の兆しも見られます。
時代は巡るという事なのか、良い物は時代を選ばないのか、何にしても良い事だと思います。

万年筆とボールペンを比較した際の魅力を幾つか紹介します。

■筆圧が低く書けるので、長文を書いてもボールペンより疲れにくい。
■ペン先の造りにより、書き味がなめらかです。
■字が綺麗に且つ上手くみえる。これは意外ですよ。
■パーツごとに交換出来るので便利かも知れません。
■字が温かみを感じるともいえます。
■何といっても高級感、存在感が有ります。

などなど、個人差も有りこれ以外にも意見は有ると思いますが、
一本でも持って居ると、ちょっと優越感が湧くかも知れないですね。

【世界を代表する万年筆ブランド】

ここからは日本はじめ世界のメーカー、ブランドを紹介していきますが、
一緒に「価格帯」「年代層」も紹介しますので、贈答する際の参考にしてください。
但し、銘柄は多過ぎ紹介しきれません。割愛させていただきますのでご了承ください。

『日本の万年筆ブランド』

現在の日本の3大メーカーといわれるのが、「パイロット」「プラチナ」「セーラー」の3社です。

■「パイロット」:国内トップシェアで、万年筆に限らずボールペン等、その他筆記具でもトップメーカー。
入門編から高級品まで幅広いラインナップです。
※そのパイロットブランドとして「ナミキ」というブランドがあります。
伝統的な漆工芸である蒔絵を施した超高級品の万年筆も有名です。

◎価格帯:200円位~8万円位。お勧め価格帯は1万円前後で、20代から50代、60代まで幅広いです。
※「カクノ」というヒット商品は1,000円前後という低価格で、機能は数千円の物と変わり有りません。

■「プラチナ」:スペアカートリッジを使用する万年筆のパイオニアで、
デザインや存在感の有る万年筆に拘ります。
例として天然記念物の「屋久杉」を使用した「屋久杉万年筆」や、
加賀の伝統職人による「漆蒔絵万年筆」などが有り、多くの愛好家をファンに持ちます。

◎価格帯:200円位~20万円位 お勧め価格帯は1万円前後で、20代から50代、60代、70代まで。

■「セーラー」:日本初のボールペン製造や、カートリッジ式万年筆の特許を取得するなど、
日本最大手の文具メーカーです。
2008年の北海道洞爺湖サミットでは、「有田焼万年筆・Tha ARITA」という特別な万年筆が、
当時の福田総理大臣より各国首脳に贈られニュースで話題になりました。

◎価格帯:800円位~11万円位 お勧め価格帯は1万5千円前後で、40代、50代、60代、70代まで。

他に、「カスタムメイドで有名でこの万年筆以外使いたくない」と言わしめる「中屋万年筆」や、
「ランスロット」「エクスキャリパー」というブランド展開をする老舗の「ぺんてる」等、
知る人ぞ知るメーカーやブランドがあります。

また、200円位からの万年筆なんて、海外では考えられない事ではないでしょうか。
日本の部品加工という技術は、本当に世界に誇れるものだと改めて思いました。

『世界の万年筆ブランド』

日本の万年筆も一生物ですが、世界にはもっと魅力的で個性的な万年筆が有り、
価格も日本の物と大差は有りませんので、参考にしてくださいね。

■「モンブラン」(ドイツ):1906年創業の世界を代表する高級筆記具ブランドで、
高級万年筆の代名詞といっても過言では有りません。数ある高級品の中でも「マイスターシュティック」は有名で、
いつかは持ちたい、誰もが憧れる王様的な存在です。

◎価格帯:5万円位~20万円位 
◎年代:40代、50代

■「パーカー」(イギリス):創業は1891年アメリカですが、1987年にイギリスに移転し、
2009年にイギリス工場が閉鎖されフランスに生産拠点を移しました。
長い歴史を持ち最高ラインの製品である、「デュオフォールド」は数々の首脳会談での調印式で使用され、
あの「ダグラス・マッカサー」も愛用していた物で、太平洋戦争の降伏文書での署名にも使われました。

◎価格帯:1、5万円位~10万円位
◎年代:20代、30代、40代

■「ペリカン」(ドイツ):モンブランと双璧を担うドイツの高級筆記具ブランドで、
やはり世界中に多くのファンを持ちます。サイズ、太さ、重心など精密に設計されてバランスの良さは魅力です。
初心者にも使い易く、普段使う万年筆としてお勧め出来る物が多いです。
「トラディショナル」はバランスが良く、初心者にもお勧めで1万円台という価格も魅力的です。

◎価格帯:1万円位~20万円位
◎年代:20代、30代、40代、50代、60代

■「ファーバーカステル」(ドイツ):1761年創業の世界最古の筆記具ブランドです。
240年を超える老舗で、直系の子孫により経営が引き継がれていて、モダンと革新が織り混ざった技術で、
1万円台から名品を造りあげるコスパの高いモデルが有ります。

◎価格帯:1、5万円位~15万円位
◎年代:20代、30代、40代

■「アウロラ」(イタリア):1919年にトリノで創業されたイタリア最古の万年筆ブランドです。
美しいデザインと機能性を兼ね添えた、正に「イタリア」を地で行くこだわりを持っています。

◎価格帯:2万円位~6万円位
◎年代:20代、30代、40代

■「ダンヒル」(イギリス):イギリスを代表する高級ファッションブランドらしく、
スーツスタイルに合うイギリスらしいクラシックなスタイルを取り入れた万年筆が特徴です。

◎価格帯:4万円位~20万円位
◎年代:30代、40代、50代

■「クロス」(アメリカ):創業から150年以上の歴史を持つ、アメリカ最古の筆記具ブランドです。
高級過ぎるモデルは少なく、リーズナブルなラインナップが特徴です。

◎価格帯:1、5万円位~6万円位
◎年代:20代、30代、40代

■「カランダッシュ」(スイス):高級腕時計など高度な精密技術を得意とする筆記具ブランドです。
機能的で使い易いという、腕時計にも共通する技術は世界中にファンを持ちます。

◎価格帯:6万円位~14万円位
◎年代:30代、40代、50代

■「コンウェイスチュワート」(イギリス):1905年ロンドンで創業した高級筆記具ブランドです。
エレガントで機能的な万年筆を追求し、エリザベス女王や、元首相のチャーチル氏も愛用しています。

◎価格帯:9万円位~13万円位
◎年代:40代、50代

まだまだ有りますが有名なブランドを中心に紹介しましたが、万年筆も奥が深いですね。
年代も50代までお勧めであれば、それ以上の方にも問題ないと思いますよ。

『年代別、価格帯別のお勧めブランド』

20代から30代の若い世代には、国産であれば「パイロット」「プラチナ」の1万円前後の価格帯で、
デザインは奇をてらった物以外が良いと思います。派手な物は浮いてしまう可能性が有りますから。

海外の物であれば「パーカー」「ペリカン」の、やはり1万円位の物が良いと思います。
デザインはやはり派手目ではない、落ち着いた物がお勧めですね。

40代から50代の方へは、国産、海外共に全てのブランドから、1万円位から5万円位までで、
デザインは贈る方のイメージに合わせてみてください。派手な方には派手でも良いと思います。

【万年筆のメンテナンス】

貰って使ってみたけど、「どうやってメンテナンスをすれば良いのだろう?」と、思いますよね。
やはりしっかりと掃除して保管しなければ、せっかくの万年筆が可哀相ですので方法を紹介します。

長期間使用しないと内部でインク固まる故障が一番多いので、簡単な方法は「常に使用する事」と言われています。
もし長期間使用しない場合は、内部のインクを抜き水で洗浄し、十分な乾燥をさせてから保管してください。

重要なペン先は、水かぬるま湯に浸して一晩位置いてください。
長期間掃除してない場合は数日間浸して、何回か水かぬるま湯を交換してください。
内部のインクが流れ出るのを待ち、インクが出なくなれば終了です。熱湯は厳禁ですので注意ですよ。
乾いた布かティッシュペーパーで、水気をしっかり取り乾燥させてから保管してください。


←簡単な掃除方法です。

『意外な才能が開花する?』

贈る前に、200円前後の万年筆を試してみるのも良いと思います。
自分で書き味を体験すれば、贈る際に大きな参考となること間違い有りません。

今やパソコン等で打ち込んで、プリントアウトする事が当たり前になりましたが、
作家の中には未だに原稿用紙に万年筆、というスタイルの方も居ます。

仮に「特に趣味という物が無い」という父親だったら、是非プレゼントしてください。
インクやペン先、全体のフォルムなど、拘ればそれなりの楽しさが出てくると思います。

そのうち書く事の楽しさを覚えて「小説でも書いてみるか」とかその気になり、公募等して出版社の目に留まり、
出版されたら人気が出て「〇〇賞受賞!」、結果小説家デビュー、なんて事も有るかも知れませんよ。
(まあ飛躍し過ぎましたが、何が起こるか判らない現代ですからね)

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