競馬の初心者が知っておきたい事!競馬歴30年のベテランが解説


最近よく見るテレビCMのひとつに、若い女優や俳優が競馬場に居る場面があります。
以前は、大きなレースの前に「馬が疾走する姿」や、
「騎手のガッツポーズ」等が多かった気がしますが。

競馬場

それだけ競馬のイメージが変わって、
若年層から高齢層まで、しかも男女を問わず幅広い年代に受け入れられる、
そんな時代になったとも言えるのでしょう。
賭け事からスポーツへの変革を遂げた、という人や「競馬はロマンだ」という人も居ます。

その時代のスターホースの出現により、社会現象まで起きた過去も有り、
近年でも、その様な現象は例外では有りません。

ただ、一口に競馬といっても、
「競馬場って何処に有るの?」「レースは毎日行われているの?」
など、様々な疑問が出てくるかと思います。

多少競馬に興味の有る人でも、改めて聞かれると即答出来ないかも知れません。
ましてや、全く知らない人には聞く事自体が間違ってますね。

競馬を知らない人でも、馬の走っている姿を見たら、
意外にも「感動した」「可愛い」など興味を持った人も多いです。
まずは基礎的な知識を得て、競馬場へ向かってみては如何でしょう。

ではゲートインも完了したので「スタート!」です。

スタートゲート

【日本の競馬とは】

『中央競馬と地方競馬』

日本の競馬は主に大きく「中央競馬(注1)」と「地方競馬(注2)」の2つに分かれます。
それぞれに所属厩舎(競走馬を管理・調教する所、いわば家庭)や競馬場が有り、
1月から12月まで毎月、毎週何らかのレースが行われています。
(言うなれば1年中という事ですね)
レースにも平地競争と障害競走に分かれ、平地競争では更に「芝」「ダート(土)」戦に分かれます。

注1):中央競馬とは「日本中央競馬会、通称JRA(ジェイ・アール・エー)」が主催する競馬です。
JRAとは、「日本政府が資本金全額を出資した特殊法人」です。
※以降、日本中央競馬会をJRAと呼びます。

注2):地方競馬とは「地方自治体」が主催する競馬ですが、
「地方競馬全国協会(略称・英語の頭文字よりNAR)」と言われる機関が、
免許などを管理する統括的な役割をしています。

『競走馬=サラブレッド』

現在JRAのレースで走っている競走馬は、全て「サラブレッド」という品種の馬です。
1990年代半ばまでは「アラブ系」という競走馬も走っていましたが、
スピードを重視する傾向になり、現在はアラブ系のレースは無くなりました。
(地方競馬では僅かですが存続はしています。)

「サラブレッド」は18世紀、競馬発祥の地イギリスで品種改良された「血統書付きの馬」の事で、
速く走ることには特化していますが、怪我をし易く、精神的にもデリケートな馬でも有ります。

語源は英語の「Thorough(完璧な・徹底的な)」+「Bred(育てられた・躾けられた)」で、
「エリート中のエリート」と言っても過言では有りません。

今でも強い馬の血筋を後世に残したいと、毎年7000頭以上の競走馬が生産されています。
その数千頭の中のほんの一握りの馬たちが、
たった1頭にしか与えられない栄冠を目指して、関係者と日々鍛錬しています。
そういった経緯を知っているからこそ「競馬はロマンだ」という人も現れるのではないでしょうか。

性別ですが、
「牡馬(ぼば)」は男馬
「牝馬(ひんば)」は女馬
「せん馬(せんば)」は去勢された牡馬(注)

(注)「せん馬」:競走馬の気性は激しいのが普通なのですが、
「集中出来ない」「気合いが入り過ぎる」等の理由で、レースに悪影響を及ぼすことがあります。
そこを調教するのですが、中にはどうしても厩務員や騎手などの、
関係者の言うことを聞けない馬も存在するわけです。

その様な馬の場合、去勢(生殖部の切除)して、気性を良化させる必要があるのです。
去勢することにより、顕著に良くなった例がありますが、せん馬は他の馬より強くても、
2~3歳限定の「G1レース」には出走出来ないのです。
何か切なさも感じますね。

【競馬場のあれこれ】

競馬場の観客

『競馬場と競走馬の関係性』

先ずはレースが行われる競馬場ですが、
JRAが主催する競馬競争は、日本全国の以下の10カ所の競馬場で行われます。

北から「札幌競馬場(北海道札幌市)」「函館競馬場(北海道函館市)」
「福島競馬場(福島県福島市)」「新潟競馬場(新潟県豊栄市)」
「中山競馬場(千葉県船橋市)」「東京競馬場(東京都府中市)」
「中京競馬場(愛知県豊明市)」「京都競馬場(京都府京都市)」
「阪神競馬場(兵庫県宝塚市)」「小倉競馬場(福岡県北九州市)」となります。

基本的に1月から12月まで、上記競馬場のいずれかで、
毎週土曜、日曜の2日間開催されています。

競馬場には「右回りコース」と「左回りコース」が有るのですが、
日本に最初に出来たトラック式の競馬場が、右回りだった事も有り右回りの競馬場が多いです。
左回りは「東京、新潟、中京」の3競馬場で、残りの7競馬場は右回りとなります。

また、全ての競馬場に「芝コース」と「ダート(土)コース」が有り、
障害競争は専用のコースを持っている競馬場も有れば、障害物を設置してレースを行う場合も有ります。
※障害競争は北海道の2競馬場では行われていません。

ここで右回りと左回りについて、何が影響するのか考えてみたいと思います。

人間が行う陸上トラック競技は左回りが一般的ですが、人間の生理学的に言えることから、
右利きや左利きに関係無く、二足歩行の人間の心臓に負担の少ない左回りが自然のようなのです。

言われてみれば、野球のベースランニングや、スピードスケート競技などは左回りです。
何だか難しい分野の事ですが、それなりの理由があるのですね。

では馬はどうでしょうか。
四足動物にとっては、心臓の位置より四足のどの肢(あし)を軸足にするかが重要なようです。
馬術用語では「左右の前肢のうち、遅れて着地する肢を手前肢」と言います。

人間同様に四足動物の馬でも「左利き(遅れて着地する左前肢)」と
「右利き(同右前肢)」が有りますが、普通はどちらでもこなすそうです。

しかし、ずーっと同じ手前ばかりで走っていると「疲れる」「スムーズにコーナーを回れない」
「スピードが落ちる」等の理由で馬自らが手前を変えて走ります。
(競馬中継などで度々「手前を変えた」とか実況されていますね)
ですが人間同様「器用な馬」「不器用な馬」が居るので、それを調教したりもするのですね。

利き足にもよるのかも知れませんが、手前を変える事が下手な馬も居て、
競馬場(右回りか左周りか)によっては、得意不得意が出る事もあるみたいですよ。


↑手前を変える瞬間がよく判ります。

現在JRA主催競馬場のほとんどが、オーバル型という楕円型の形状ですが、
阪神競馬場だけが、多少いびつな楕円形になっています。(空中写真で見ると判りますよ)

海外の競馬場もほとんど楕円型なのですが、中にはおむすび形の三角型や、
馬蹄型といって「つ」の様な形状の競馬場も有ります。

また、競馬場ごとに上りや下りの坂が設けられていたり、芝生の長さやコーナーの角度も様々で、
レースによっては坂の前後でレースが動いたり、着順にも大きな影響を及ぼす事も有ります。
様々な状況が絡み合いレースの駆け引きを行う事が、騎手の腕の見せ所なのかも知れませんね。
そういった所も実際に競馬場で観戦すると、面白さも倍増しますよ。

【競馬の豆知識】

ここまで競馬の知られざる一面等を紹介しましたが、
途中で「?」となっている箇所も幾つか有ると思いますので角度を変えてみます。

『G1とか、重賞の意味は?』

JRAが主催するレースは「馬の年齢」と「獲得賞金額」によるクラス分けで、
どのレースに出走する(出来る)かを決めます。

判り易い様にピラミッド形に当てはめると頂上から順に、
①「G1(略称ジーワン)」②「G2(同ジーツー)」③「G3(同ジースリー)」という
グレードレースが昭和59年より格付けされました。
※格を表す記号として「GRADE」の頭文字である「G」を使用しています。

次に④「リステッド」⑤「オープン特別」⑥「1600万円以下」⑦「1000万円以下」⑧「500万円以下」となり、
デビューは「新馬戦」或いは「未勝利戦」で、基本的に1勝すれば上のクラスへ昇格します。

上から5番目に当たるオープン特別というレースに出走出来るのは、
「オープン馬」という獲得賞金の最高グループに属する馬です。
オープン馬になると、オープン特別からG1まで出走する権利を得ますが、
実力に見合ったレースを厩務員や騎手の意見も交え、調教師が判断します。

「重賞」という意味は時代等の様々な理由で複雑になり、ここだけでは解説しきれませんので、
簡潔に言いますが「G1からG3までのレース」という判断で良いと思います。

楽しみ方の一つとして、一度で良いので近くの競馬場に足を運んで貰えたらと思います。
やはり馬の走る姿には見入ります。また迫力も有ります。
見ている目の前を通る時には「ドドドっ」と、地響きの様に身体に伝わってきますから。
自然に興奮してきて思わず「行けー!」と、声を上げてしまった、なんて事も有りますので。

あとは、「パドック」という場所でしたら、馬が間近に見られます。
レース前の顔見せ的な場で、馬の歩様や、毛づや、落ち着きが有るか、
それで専門家などは調子を判断し、レースでどうなるかを予想したりします。

まあ素人が見ても余り判らないのが正直なところですが、イケメンだとか変な顔だな、とか、
独断で楽しむ事も出来ますね。
(声に出してしまうと関係者に睨まれるかも知れませんのでご注意を)

毛づやという言葉が出ましたが、馬には様々な毛色の馬が存在しますので、少々解説を。

『鹿毛(かげ)』:明るい赤褐色から暗い赤褐色まで。代表産駒「ディープインパクト」
『黒鹿毛(くろかげ)』:鹿毛よりも黒味が強い。代表産駒「ナリタブライアン」
『青鹿毛(あおかげ)』:全身ほとんど黒色で、僅かに褐色の部分も。代表産駒「メジロラモーヌ」
『青毛(あおげ)』:ほぼ黒色で、季節により黒鹿毛等に見える事も。代表産駒「ヴィヴロス」
『芦毛(あしげ)』:全体に白色毛が混ざる(灰色)年を取ると白味が増す。代表産駒「オグリキャップ」
『栗毛(くりげ)』:黄褐色(茶色)で長い箇所は濃淡が有る。代表産駒「テイエムオペラオー」
『栃栗毛(とちくりげ)』:黒味が強い栗毛だが黒色になならず。代表産駒「サクラローレル」
『白毛(しろげ)』:その名のとおり白色。代表産駒「ユキチャン」

以上全部で8種類の毛色となりますが、色によってとても綺麗な馬も見られます。
「走る芸術品」とまでいかなくても、額縁に入れたい様な馬も居るんですね。
文字だけでは判断は難しいので、テレビや実際に見て判断していただけたらと思います。

因みに馬名ですが、JRAでの規定で「2文字以上9文字以下」となっており、
常識の範囲内で命名しなければ、様々な禁止事項に触れて登録出来ない場合も有ります。
恰好の良い馬名、面白い馬名も多いので、それも楽しみ方の一つかも。

また、競馬場によっては、広々とした安全な場所に遊具なども設置されていますので、
お子様連れでも丸1日遊べます。
出来れば行く前に多少調べて行くと良いですね。

馬券とマークシートと競馬新聞

馬券を購入しなくても、入場料100円~200円で済みますし、15歳未満は無料となっています。
ただしこれは全て競馬開催している競馬場に限りますので、確認をお願いします。

以前の競馬場のイメージは、寒々しい灰色のコンクリートに煙草の煙が充満し、
競馬新聞片手に赤えんぴつで予想するおやじの姿が連想されました。
(凄い偏見ですが。)

しかし、今は凄いですよ。ショッピングモールまではいかなくても、
カラフルな色合い、清掃のしっかりしている競馬場がほとんどで、
カップル、親子連れ、老若男女問わないレジャー施設に生まれ変わっています。

芸能人や著名人も馬の所有者として来場する事も有りますから、
運が良ければそんな人との遭遇も出来るかも知れません。

まだまだ解説し足りないですが、自分なりの楽しみ方を見つけて、
周囲の方に迷惑を掛けずに楽しんでください。

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