何度も窃盗を繰り返してしまうという病気「クレプトマニア」。
その症状や原因、有効な治療法は何かを調べてみました。
クレプトマニア(窃盗症)とは何か
クレプトマニアは窃盗症とも呼ばれる一種の精神疾患です。
盗むことそのものが癖になってしまっている厄介な心の病で、日本ではまだそれほど知られていない為、病気だということに気付かないまま何度も窃盗を繰り返し、罪を重ねてしまう人も多いと言われています。
クレプトマニアの症状
クレプトマニアの代表的な症状というのが、“お金がないから”や“その品物が欲しいから”という理由ではなく「ただ盗みたい」という衝動で盗みを働いてしまう、というもの。
盗む際のスリルや盗みが成功した時の達成感などが癖になってしまっている人が多く、その為盗みの対象となる物はたった数百円の物だったり、もともと興味のない物で盗んだ後は捨ててしまったりという特徴があります。
またこの病を抱えている人は、悪いことだとわかっていて止めなければと思っているのに自
分自身でコントロールすることが出来ない状態になってしまっています。
クレプトマニアになってしまう原因とは
クレプトマニアは心の病であるため、その多くが精神的ストレスを原因として発症します。
盗むことで快感を感じ、それによりストレスを発散するという悪循環に陥ってしまうのです。
特に子供の頃に虐待を受けたり、家族仲が良くなかったりと問題のある環境で育ってきた人に多く見られます。
摂食障害と関連性がある?
実はクレプトマニアと診断された方々の中には、摂食障害も抱えているという方が一定数いるそうです。
クレプトマニアと同じく、摂食障害も主な原因が精神的なストレスから発症するもので、摂食障害となり食べては吐く、というのを繰り返す内に食べ物の事しか考えられないようになっていき、罪の意識が薄れていってしまうのだとか。その上いつでも食べ物がないと不安を感じるようになってしまい、やがて万引きに手を染めクレプトマニアを併発してしまいます。
治療法は?
依存症の一種であるクレプトマニアは、再犯率も多く簡単に治る病気ではありません。
心療内科に定期的に通い治療することも可能ではありますが、出来ればクレプトマニア専門の病院に3ヶ月程の入院をし、根本からの治療を目指した方が良いでしょう。
治療法としては、カウンセリングや認知行動療法などが主となっています。
また患者同士での交流を深めるミーティングなどを行い、病を抱える者同士で理解し合い孤立を防ぎます。
このような治療を継続し、自分で自分の行動を制御出来るようにさせていくというのが主な治療法となっています。
クレプトマニア専門の病院がある!
日本ではまだあまり知られていないクレプトマニアという病気ですが、群馬県の「赤城高原ホスピタル」という病院で専門の治療を受けることが出来ます。
1600人以上のクレプトマニア患者を診てきた院長の下、安心して治療を受けられる場所です。
そして克服するには周囲の人々の理解も欠かせません。
特に同じ悩みを抱えている人達との交流は良い影響があります。
悩みを打ち明け支え合うことで孤立が防がれ、“盗みたい”という衝動を自制出来るようになっていきます。
この病院では患者同士の交流も積極的に行っていて、退院後も仲間の存在が支えになり再犯を防ぐことに繋がっているようですよ。
心の病気は未だに偏見の目で見られることも多く、理解されにくい病です。近年は少しずつ
知られるようになってきたので、これからは更に理解が深まっていくことでしょう。
そのような暖かい環境の中で、一人でも多くの人がこの病を克服されることを願っています。
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