キャンプやハイキングなど自然の多い場所に出掛ける際にはヘビ対策は欠かせません。
今回は日本で遭遇しやすいヘビの種類や特徴、遭遇を回避するために知っておきたいヘビの出やすい場所や時期、そして万が一咬まれてしまった場合の対処法までまとめました。
日本にいる代表的なヘビの種類や特徴をご紹介!特に要注意な毒ヘビは?
日本にはなんと36種類ものヘビがいるそうなんです!でもその多くは沖縄のみに生息している種類の為、本州で見られるものは少なく、その上実際に見かけるヘビの種類は更に限られています。
今回はよく遭遇する代表的なヘビと要注意な毒ヘビの種類をそれぞれご紹介します。
「アオダイショウ」
日本で一番よく見かけられると言われるのがアオダイショウです。
体長は1~2mと本州では一番大きい蛇で、体は暗い緑色や青緑色をしていて4本の縦縞が入っています。
ごく稀に白色の個体もいます!子供の頃はマムシと間違われやすい色や模様をしているので、間違えて殺されてしまうこともあるんだとか……。
アオダイショウは木や屋根に登ることもあり、天井裏に住み着いていたりと人との関わりが一番多いヘビですが、毒はなく基本的に性格はおとなしいためむやみに襲ってくるようなことはありません。
よく見れば目は真ん丸で可愛い顔をしていますよ。昼行性です。
「シマヘビ」
シマヘビは黄褐色の体に、その名の通りはっきりとした4本の黒い縦縞が入っているのが特徴です。
中にはカラスヘビと呼ばれる真っ黒な個体も存在します。北海道から九州にかけて生息していて、体長は80~150cm程度、赤い目をしています。アオダイショウと同じく毒は持っていませんが、鋭い牙があります。
滅多に木には登らず地面を這って移動し、昼間には日光浴をしていることがある為、足元に気を付けましょう。
ここからは特に注意が必要な、日本に生息する毒ヘビ達です。
「ニホンマムシ」
いわゆるマムシのことです。マムシは北海道から九州に生息していて、体長は45~60cm、赤褐色の体で太く短いずんぐり体型が特徴です。
背中にはメガネのように楕円形が対になった模様がいくつも連なっています。
他にも三角形の形をした頭と縦に線が入った猫のような目が特徴です。
マムシは口の一番手前にある2本の牙に毒を持っていて、毒の量は少ないものの毒性が強く危険とされています。ただ、何もしなければ積極的に襲ってくるようなことはありません。
夜行性ですが、昼間に活動することもあります。
「ヤマカガシ」
ヤマカガシは本州から九州に生息しています。体長は60~120cm、地は緑色をしていますが、その上に赤と黒の斑点が交互になった模様があり、見るからに毒々しい色をしています。
その見た目に比例するようにヤマカガシの毒はマムシやハブよりも強力なんです。しかし奥歯に毒を持つため、深く噛まれない限りは毒は入りません。
また基本的におとなしい性格なので、驚かせたり攻撃しない限りは噛みついてはきません。昼行性です。
「ハブ」
ハブは沖縄やその周辺の島のみに生息する毒ヘビです。
体長は1~2mと大きく、体は黄褐色で黒色の網目のような斑点があり、三角形の頭が特徴です。
ハブは他のヘビと違い、気性が荒くとても攻撃的です。近付いただけで咬まれると思った方がいいでしょう。
その毒はマムシより弱いものの、牙が1.5cmもあり咬んだら確実に毒を注入します。毒量も多いためかなり危険です。
ただハブは夜行性な為、昼間に見かけることは滅多にありません。毒蛇ではありますが、ハブやマムシはお酒にすることでも有名ですね。
ヘビのいる場所や時期、時間帯は?
ヘビは基本的に開けた場所にはいません。
身を隠せるような藪の中や岩場、湿地帯、そして特に餌となるカエルがいる水辺の近くに生息しています。
普段は草むらや石垣の中などに身を潜めていますが、たまに田んぼ中の道などで日光浴を行っている場合があります。
色も地面と同化している為、気づかずに踏んでしまい咬まれるケースがあるので、歩く際は足元に注意しなければなりません。
森の奥深くというよりは、田畑や人家の近くといった人間の行動範囲の中にヘビが生息しているため、多くの被害が出ているんですね。
またヘビは春から秋にかけて活動し、冬の間は冬眠に入ります。(ハブは冬眠しません)
冬の間だけは安心ですが、逆に春から秋の間は、ヘビは昼行性のものも夜行性のものもいるので、昼夜問わず気を付けるようにしましょう。
ヘビはカエルやネズミなどを好む!
ヘビはカエルやネズミ、トカゲなどを主食としています。
丸飲みにするその食事風景はグロテスクなのであまり見たいものではありませんね……。
ちなみに天井裏などにヘビが住み着いていて悩んでいる方は、餌となるネズミがいるからだと思われます。
その場合は先にネズミを駆除しましまょう。餌がなければヘビも来なくなりますよ。
ヘビに遭遇した時は静かに立ち去ろう
ヘビは基本的に臆病な性格なので、驚かせたり危害を加えたりしなければ襲ってくることはほぼありません。
その為ヘビに遭遇したら、刺激しないように静かにその場を立ち去りましょう。
ヘビに咬まれてしまった時は!?
もしヘビに咬まれてしまったら、どうすればいいのでしょうか。
まず、可能であれば咬んだヘビが毒ヘビかどうか見極めます。
そして落ち着くことが大事です。心拍数が上がると毒が回りやすくなってしまうので、なるべく気持ちを落ち着かせましょう。
その場で出来る応急処置はごくわずか。傷口の上(心臓に近い方)を軽く縛り、水があれば血を絞り出しながら傷口を洗いましょう。
あとはすぐに医療機関に行き、手当てを受けてください。
血清を打ってもらい、適切な治療を行えば命を落とす危険性はまずありません。
ちなみに、ヘビに咬まれたら毒を吸い出す、と聞いたことがあるかもしれませんがこれはあまり良くありません。
吸う人の口の中に傷があったりすると、そこから毒が入り込んでしまう可能性があるので危険なんです。
なので毒を吸い出す場合はポイズンリムーバーなど道具を使うようにしましょう。
山に入る時はあらかじめこのような道具を持っていった方がいいかもしれません。
また無毒のヘビであっても、カエルやネズミを主食としているヘビの口の中は雑菌で一杯です。
咬まれた傷口から菌が入り炎症を起こす可能性があるので、よく洗い消毒して、心配な場合は医療機関の受診を考えましょう。
ヘビに遭遇しない為には
ヘビに遭遇しない為には、まずヘビが潜んでいそうな場所を避けるようにすることが一番です。
でもキャンプやハイキングをしに出掛けたり、もしくは近所にヘビが出そうな場所があるという方もいるはず。
そのような場所へ行くという場合は、なるべく露出の少ない服装をしていきましょう。厚手の服や靴であれば、牙を防ぐことが出来ます。
ここまでだいぶ怖がらせてしまったかもしれませんが、ヘビが咬みつくのは最後の手段と言われています。
見かけても距離を保ち、いたずらに刺激さえしなければ大丈夫です。
嫌がられる一方で、神の使いとも言われるヘビ。むやみに駆除するのではなく、上手に共存していきたいものですね。
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